ご挨拶

第70回全国肢体不自由児療育研究大会 会長

田中 肇
北海道立旭川子ども総合療育センター院長

第70回全国肢体不自由自施設療育研究大会(全国療研)の開催を担当させていただくにあたり、北海道立旭川子ども総合療育センターを代表してご挨拶申し上げます。

当センターが全国療研を主催させていただくのはもちろん当センターの歴史上初めてのことですが、津軽海峡を越えて北海道で開催されることも平成4年の札幌を最後としておりますので実に33年ぶりということになります。涼しい北の大地が熱気にあふれるような大会となりますよう、職員一丸となって皆様方をお迎えする所存でございます。

期日は令和7年9月25日(木)、26日(金)の二日間、場所は旭川駅からほど近い旭川市大雪クリスタルホールです。これまでこの全国療研は10月に行われることが通常でしたが、ここ旭川は10月も半ばになりますと雪に見舞われることも十分にあり得ますので、少しでも皆様が快適に過ごせますように、また時間を見つけて車で近郊の観光をされる際には安心して運転をしていただけますように、この日程にさせていただきました。

大会のテーマは「輝け笑顔〜北の大地からの発信〜」です。昨年のこの大会は沖縄中部療育医療センター様の主催にて沖縄県北谷町で行われましたので、昨年から今年にかけて開催地が最南端の地から最北端の地へと引き継がれたことになります。その昨年の沖縄大会のテーマが「笑顔つなげる結(ゆい)ま〜る」でしたので、実に2,500kmもの距離を経て『笑顔』でテーマがつながったのです。令和の時代はコミュニケーションの難しさが一段とクローズアップされておりますが、いつの時代であってもコミュニケーションを円滑にする最大のアイテムが笑顔であることは変わりません。我々も皆様に笑顔を届け、皆様からも笑顔があふれ出るような大会にしたいと、心から思っている次第です。

本大会は三つの講演を企画させていただきました。特別講演は旭川医科大学小児科で初めて小児神経医として教授になられた髙橋悟氏に、現在の子どもを取り巻く環境の変化とそれに我々がどう立ち向かうべきかという観点で貴重なお話をいただける予定です。また文化講演は奇跡の動物園として名を馳せた旭山動物園の統括園長坂東元氏に、命と向きあう日々の中で培われてきた温かな思いをお聞かせいただけることと思います。そして教育講演は本年3月に当センターを退職されました前副院長の宮本晶恵氏に、ご自分が当センターで子どもの療育に向き合ってきた25年以上にもおよぶ歴史からの熱いメッセージをいただける予定です。皆様に素晴らしい講演をお楽しみいただければ嬉しく思います。

なお本大会二日目の9月26日(金)には札幌医科大学リハビリテーション医学講座土岐めぐみ先生を大会長として第5回日本小児リハビリテーション医学会学術集会が、また終了翌日の9月27日(土)には当センター整形外科鳥井智太郎先生を世話人として第42回日本脳性麻痺の外科研究会が、それぞれ会場を同じくして開催されます。そちらにも是非ご参加いただけましたら幸いです。

最後に、今回私どもにこのような貴重な機会をいただきましたことを大変光栄に思っております。この旭川での時間が皆様にとりまして心に残る最高の思い出になりますように、職員一同心を込めてお迎え致します。勉強に、また食と観光に、大いに楽しんでいただけましたら幸いです。多くの方々のご参加を心よりお待ちしております!